先天奇形、変形および染色体異常(Q00-Q99)
呼吸器系の先天奇形(Q30-Q34)
鼻の先天奇形(Q30)
疾病 | 特徴 | 特記事項 |
先天性後鼻孔閉鎖 | 後鼻孔が骨性または膜性に閉鎖され、鼻呼吸ができない。授乳時に嚥下性肺炎を起こしやすい。 | 診断: カテーテル挿入や造影剤によるX線検査。治療: 外科的除去。 |
肺の先天奇形(Q33)
疾病 | 特徴 | 特記事項 |
先天性肺嚢胞症 | 肺内に異常空間を生じる疾患群。無症状のこともあるが、感染を繰り返す。放置すると感染を反復するため外科切除が原則。 | X線検査で偶然発見されることがある。感染リスクが高い。 |
肺分画症 | 正常な気管支・肺動脈から外れた異常な分画肺が存在し、大循環系の動脈から栄養を受ける。肺葉内肺分画症と肺葉外肺分画症に分かれる。 | 肺炎を反復するため、早期の開胸切除が推奨される。 |
先天性気管支拡張症 | 先天的な発育不全により、気管支が嚢状に拡張する。咳、痰、血痰などの症状を示し、痰の排出促進や易感染性に対する治療が主体となる。 | 易感染性のため、定期的な管理が重要。 |
暗記のコツ
まずは、各疾病の基本的なメカニズムと症状に注目して覚えましょう。シンプルに、次のステップで進めるといいですよ!
- 関連付けて覚える
それぞれの病気が肺に関係しているので、まず「肺の異常構造」「感染リスクが高い」という共通点を理解しましょう。例えば、「肺嚢胞症」と「肺分画症」はどちらも肺に異常な空間や構造があり、放置すると感染を繰り返すので早期の外科切除が必要という流れが共通です。 - ポイントを絞る
それぞれの病名の特徴を、一言でまとめて覚えてください。例えば、- 肺嚢胞症:異常空間 + 感染しやすい
- 肺分画症:異常な肺構造 + 大循環動脈から栄養
- 気管支拡張症:気管支が拡張 + 咳・痰が多い
- 視覚化して覚える
図やイメージを使って肺の異常部位や感染の仕組みを視覚化すると記憶に残りやすいです。肺の構造や感染リスクについて図を見ながら学ぶと、より頭に入りやすいですよ。 - 反復して確認
一度に全部を覚えようとせず、少しずつ復習することで記憶が定着します。毎日、短時間でも良いので定期的に見直すと良いですね。
一緒にコツコツやっていけば、気がついたらしっかり頭に入っているはずです!楽しみながら覚えていきましょう!
唇裂および口蓋裂(Q35-Q37)
疾病 | 特徴 | 特記事項 |
口蓋裂 | 胎生7~10週の間に左右口蓋突起が融合しないことで生じる。軟口蓋や硬口蓋が影響され、吸乳力不全や栄養障害、成長後に構音障害を引き起こす。治療は1~2歳で口蓋形成術を行う。 | 遺伝・環境の複合要因が関与。早期の手術が必要。 |
唇裂 | 上口唇の先天的披裂。片側性(特に左側)が多いが、両側性もあり得る。第1度~第3度に分類され、生後2~3ヶ月で手術が行われる。 | 第3度は鼻孔にまで達する完全唇裂。 |
唇裂口蓋裂 | 唇裂と口蓋裂を合併した状態。構音障害と嚥下困難が主な症状であり、早期の手術が重要。 | 言語障害や嚥下障害のリスクが高い。 |
暗記のコツ
こんにちは!暗記の方法として、まずはポイントを絞って、大まかな流れを掴んでみましょう!
- 構造的に覚える
- 例えば、「口蓋裂」と「唇裂」は胎生期の発育不全が原因で発症しますが、口蓋裂は口蓋に問題があるのに対し、唇裂は唇の披裂。
- 唇裂は「片側性が多く、手術は生後2~3ヶ月」と覚えましょう。口蓋裂は「栄養障害や構音障害を引き起こし、生後1~2歳で手術」という違いに注目。
- 分類で覚える
- 唇裂には第1度~第3度までの分類があるので、これを「披裂の程度」として覚えるとわかりやすいですね。例えば、第3度は完全唇裂で鼻孔に達すると覚えておくと良いです。
- 関連付けて覚える
- 唇裂口蓋裂は両者を合併した状態なので、**「構音障害と嚥下困難」**が共通の問題だと理解するとスムーズです。
- 反復練習
- 短い時間で何度も確認することが大切です。毎日少しずつ時間をかけて、関連性を意識しながら覚えていきましょう!
まとめて覚えると難しく感じるかもしれませんが、一つずつ分けて確認しながら進めれば、少しずつ知識が定着していくはずです。楽しく学びましょう!
消化器系の先天奇形(Q38-Q45)
食道
疾病 | 特徴 | 特記事項 |
先天性食道閉鎖 | 胎生期に気管と食道が分離する過程で異常が生じ、食道と気管が部分的につながる(食道気管痩)場合もある。Gross分類でA~E型に分けられ、C型が最も多い(80%以上)。 生後、泡沫状の唾液が口からあふれ出るのが特徴。 |
C型では、下部食道と気管分岐部付近に痩を形成。 呼吸器合併症を引き起こしやすい。 心大血管や消化器系、泌尿器系の奇形を合併しやすい。 診断は、口から挿入したカテーテルが盲端部で反転することをX線で確認する。治療は早期の外科的処置が必要。 |
小腸
疾病 | 特徴 | 特記事項 |
先天性十二指腸閉鎖症・狭窄症 | 十二指腸が発生する過程で異常が生じ、膜様物で腸管が閉鎖される。狭窄症では膜様物に孔があり、わずかに通過可能。出生前に超音波で診断されることが多い。 | 食道閉鎖症と同様に、他の奇形を合併することが多い。 |
先天性小腸閉鎖症・狭窄症 | 空腸、回腸のどちらにも発生し、嘔吐と腹部膨満が主症状。他の奇形を合併することは少ない。1,000~3,000例の出産に1例の頻度で発生。 |
大腸
疾病 | 特徴 | 特記事項 |
鎖肛 | 直腸肛門部の閉鎖、狭窄、開口位置異常を含む疾患群。体外に痩管交通がある場合は緊急性が低いが、体外に交通がない場合はイレウスを引き起こし、数日で死亡するため緊急手術が必要。 | 半数の例で、食道閉鎖症や他の消化器系・泌尿生殖器系の奇形を合併する。 |
腸(その他)
疾病 | 特徴 | 特記事項 |
メッケル憩室 | 胎生期の中腸が遺残して回腸側に憩室を形成。通常無症状だが、潰瘍や出血、穿通、虫垂炎様の炎症を引き起こすことがある。膀と線維索で接続し、腸閉塞や腸捻転の原因にもなる。 | 健常人でも1~2%に存在する。 |
ヒルシュスブルング病 | 結腸の壁内神経節が先天的に欠如し、蠕動が不可能で収縮狭窄状態になる。出生直後から便秘が見られ、無神経節腸管を切除して正常部を肛門につなぐ手術を行う。 |
胆のう(嚢)、胆管、肝
疾病 | 特徴 | 特記事項 |
胆道閉鎖症 | 肝外胆管が閉塞または欠損する疾患。黄疸が生後1ヶ月を過ぎても消えず、無胆汁性白色便と濃褐色尿が特徴。治療には空腸と肝門部の吻合手術が必要で、成功しない場合は肝移植が必要。 | 放置すると肝不全に陥り死に至る。 |
先天性胆道拡張症 | 先天的に胆道が拡張する疾患で、幼児期に発見されることが多いが成人発症もある。間欠的黄疸、上腹部痛、発熱を伴う場合があり、診断には超音波や胆道X線検査を使用。治療は拡張部位の切除と肝門部肝管・空腸吻合(Roux-Y法)を行う。 | ほぼ100%に「膵管胆道合流異常」を伴う。 |
アラジール症候群 | 肝内胆管の低形成により胆汁うっ滞を引き起こす先天性疾患。生後2~3ヶ月から黄疸、皮膚掻痒、淡黄色便が出現する。特異顔貌、脊椎、眼球、腎の異常を伴う。常染色体優性遺伝で発生。 | 胆汁うっ滞は成長とともに軽快し、肝硬変に移行することは少ない。約10万人に1人の頻度。 |
消化器系(その他)
疾病 | 特徴 | 特記事項 |
輪状膵 | 膵組織が十二指腸を取り囲む先天性奇形。無症状のこともあるが、成人になると上腹部痛、悪心、嘔吐、腹部膨満などの十二指腸閉塞症状が現れる。稀に新生児でも急性閉塞症状を呈する。 | 他の先天性奇形を合併することがある。 |
暗記のコツ
こんにちは!今日は様々な病気の暗記方法をまとめてお伝えします。効果的に覚えるためのポイントを押さえて、楽しく学んでいきましょう!
- イメージを視覚化する
- 病気の特徴を具体的に頭の中でイメージしてみましょう。たとえば、膵臓が十二指腸を取り囲む「輪状膵」の場合、膵臓が輪のように十二指腸を圧迫している様子を思い描くと覚えやすいです。
- 症状から連想する
- 症状がはっきりしている疾患は、その症状をイメージしましょう。例えば、先天性食道閉鎖では「泡沫状の唾液」があふれ出ることが特徴です。これを覚えておくと病気の初期症状が連想しやすくなります。
- 原因と特徴を結びつける
- 疾患の原因と特徴をセットで覚えると理解が深まります。たとえば、メッケル憩室は「胎生期の残存組織」が原因で、ヒルシュスブルング病は「結腸の神経節欠如」が原因です。
- 診断と治療法をセットで覚える
- 診断方法と治療法を一緒に覚えると、流れを理解しやすくなります。例えば、先天性食道閉鎖症ではカテーテルとX線で診断し、早期の外科的処置が必要です。
- 具体的な数値や頻度を暗記する
- 疾患の発生頻度や数値を覚えると、他の疾患との比較がしやすくなります。小腸閉鎖症は「1,000~3,000例に1例」の頻度があります。
- 反復練習で記憶を定着させる
- 一度覚えたことを数日後に再確認することで、記憶がしっかり定着します。毎日少しずつ、短時間で復習する習慣をつけましょう。
それでは、楽しく効率よく学んでいきましょう!少しずつ確実に覚えていけば、自然と知識が定着しますよ。